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レザースタジオサード|福山レザー

  • # 工芸
  • 写真:レザースタジオサード|福山レザー
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濃淡のコントラストで魅せる,古くて新しい福山レザー

革職人の知恵と技に、福山市の伝統産業「備後絣」(びんごかすり)の美しさが合わさって誕生した福山レザー。使うほどに馴染むレザーならではの質感と、古くから愛されてきた藍染めの美しいJapanブルーが、手にした人の心を奪います。使い込むほどに味わいを増していくアイテムは、自分へのご褒美はもちろん、大切な人への贈り物にもぴったりです。

革職人として30年のキャリア。革の魅力を最大限に活かすプロ

革職人として30年のキャリア。革の魅力を最大限に活かすプロ

革職人の父のもとに生まれ、父が経営する「クラフト工房カーフ」で、中学生の頃から腕を磨いてきたという代表の三島進さん。43歳にしてこの道30年のベテランです。高校ではバンド活動に明け暮れ、卒業後は東京で鮨屋に就職したという異色の経歴の持ち主。やりがいはあったものの不規則な生活に疲れきり、福山に戻って再び革職人として腕を振るい始めました。革職人としての三島さんのモットーは、決して「できない」と言わないこと。「革は柔らかくも硬くもなるため融通がきき、本来何でもできる素材。できないと言ってしまうことは、職人が革の特性を活かしきれていないということです」ときっぱり。その言葉通り、これまで15,000点以上のオーダーを受けてきました。中にはシャンデリアや日本刀といったものまであり、まさに職人魂を感じる仕上がりです。時にしなやかに、時にたくましく。革の魅力を最大限に発揮させた三島さんの作品は、そんな魅力にあふれています。

そんな職人魂の現れが日本革工芸展の5年連続入選。確かな手応えを感じ、2007年に独立して「レザースタジオ サード」を創業しました。作品が並ぶ店内にはカウンターを設け、ゆったりとオーダーした作品を確認できる空間に仕上げました。作品にも空間づくりにもちょっとした遊び心が詰まっています。

福山の伝統工芸“備後絣”を。革に応用した唯一無二の存在

福山の伝統工芸“備後絣”を。革に応用した唯一無二の存在

2011年には法人化して新たなスタートを切り、新しい目標を掲げました。それは「サード観光地化」。わざわざ遠くから足を運んでもらえるような工房にするための、取り組みを始めます。「モノづくりの世界で生きている私たちができることは、福山の特徴を活かした特産品づくりだと考えました。もともと福山はモノづくりの町。琴や下駄、備後畳表など様々な伝統工芸があります。これらとコラボした何かができないかと考えました」と話します。

三島さんが選んだのは、日本三大絣の一つとされる備後絣(びんごかすり)。木綿100%の織り布を天然藍で染めたもので、その美しさがJapanブルーと称され、世界の人を魅了します。その技術を革に応用したいと考えた三島さんは、3代続く老舗の染料屋に相談。革の藍染めはできると聞いて安堵したのもつかの間。最盛期には福山市内に200社あった備後絣関連の企業は、今や2社にまで減少しており、革を藍染めしてくれる企業が見つかりませんでした。「それなら、自分たちで革を藍染めしよう!」と染料のプロに教えを請い、猛練習をスタート。最も苦労したのはpH値。少しの違いで革の硬さが変わってしまい、作品の仕上がりに大きな差が出ます。藍染めはその日の気温や湿度、天候にも左右される繊細な作業。半年間、試行錯誤を繰り返し、唯一無二の“福山レザー”が誕生しました。

藍の美しい濃淡が魅了する、世界に一つだけのアイテム

藍の美しい濃淡が魅了する、世界に一つだけのアイテム

天然藍で染めた革「福山レザー」の特徴は、見る者を魅了する美しい藍色(インディゴ)と革のしなやかさ。革に丁寧にひだを作り全て手作業で搾り染めした革は、藍の濃淡が不規則に現れ、この世に一つだけの模様を作り出します。藍染めを一度し、あえて色むらを出したレザーを「瀬戸内の空」、2度染めをして深みのある藍色になったレザーを「瀬戸内の海」と名付けました。 名刺入れやコンパクト財布、長財布、メガネケース、キーケース、印鑑ケース、ペンケースなど種類も豊富。どれもJapanブルーの醍醐味を感じさせるものばかりです。

また古くから深く、濃く藍色に染まった部分を褐色(かちいろ)と呼び、「勝ち色」にかけて、縁起の良いものとされてきました。「贈り物としても喜ばれています」と三島さんは話します。さらに革製品ならではの経年変化が楽しめ、環境や使い方によって、その表情を大きく変えていくのも福山レザーの魅力です。 デザイン性だけでなく機能性にもこだわり、使いやすさも追求しました。かさばらない薄さ、持ち運びやすさ、中に入れるものの取り出しやすさ、入れやすさ、ほどよいマチの幅など使い心地にもとことんこだわっています。こうした技術には、オーダーメイドを15,000点以上こなしてきた職人の経験が存分に活かされています。

お客様の声に応えてさらに進化。竹炭を使った新商品開発にも着手

お客様の声に応えてさらに進化。竹炭を使った新商品開発にも着手

誕生して10年、ずっと進化し続けているという福山レザー。「10年後はもっといいものになっている」と自信をのぞかせます。藍の濃淡をできるだけ長く残したいというお客様の声に応えて、鏡面加工した福山レザーを考案。専用のコーディング剤をまとわせることで、経年変化が従来よりゆっくり楽しめるようになりました。こうしてこれから先も、お客様の声をカタチにしながら、福山レザーは進化し続けます。また現在、竹炭染めのレザーを使った商品を開発中。完成すれば世界初となる話題性の高いアイテムです。「サード観光地化」を掲げて、これまで50回以上の取材を受けてきたという三島さん。「夢に一歩ずつ近づいています」と笑います。

これからの目標は革職人の社会的地位を向上させること。「ある日、レザーバッグの持ち手がちぎれたと、お客様が修理に訪れたことがありました。見てみると、持ち手の部分だけ合皮でできていたんです。これを作った革職人はそれが分かっていたはず。それでも予算的に合皮を使わなければならなかった、苦しい立場だったと感じました」と三島さん。こうした経験を幾度とするなかで、革職人、革業界の社会的地位の向上が不可欠だと考えるようになりました。その闘志を胸に抱いて望んだ革の国際公募展では2020年にバッグ部門1位、2021年にはインテリア部門2位に入賞。「かっこいい姿を見せて、子どもたちの憧れの職業になっていけたら嬉しいです」と話す三島さんの瞳は、真っ直ぐにレザー業界の未来を見据えていました。

レザースタジオ サード:広島県福山市多治米町6丁目3−17

購入は福屋オンラインストアから アイコン:買い物カート

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