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勝原白貫堂|ごきねぶり最中

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年間30㎏しかとれない希少食材「御器ねぶり小豆」を使った最中

北広島町にある老舗和菓子店「勝原白貫堂」の「御器ねぶり最中」。最中に使う餡子は広島の在来種であり原種、生産量も極めて少ない「御器ねぶり小豆」を使用しています。餡子が苦手な人でも「美味しさに感動した」と言うほど、小豆本来のもつ自然な美味しさを強く感じる逸品です。広島県産のもち米から作られたサクサクの最中皮との相性も抜群です。

老舗の味を後世に残したいと、36歳の時に店の再開を決意

老舗の味を後世に残したいと、36歳の時に店の再開を決意

明治後期に創業し、数々の受賞歴をもつ老舗の和菓子店「勝原白貫堂」。銘菓「泡雪」「壬生饅頭」は地元はもとより、県内外で愛され続けています。しかし、実は平成時代に店を一時閉めていた期間がありました。「私が20代の頃に、この店をやっていた祖父が他界しました。そこからは後継ぎがおらず、店を畳んでしまいました。当時、私は和菓子とは全く異なる職種、システムエンジニアとして九州で働いていました」と、現在の代表取締役、勝原毅さんは話します。後を継ぐきっかけになったのは、勝原さんが36歳の時のことです。

「母が他界し、遺品整理をするなかで、銘菓と職人へ贈られた賞状がたくさん出てきました。これを見た時に、こんなにしっかりとした和菓子店が無くなるのはもったいないと思い、まだ祖母がいましたので、祖母にレシピなどを聞いて、店を再開しようと思ったんです」と勝原さん。2012年に勝原さんは帰郷し、一年ほど京都の製菓学校の通信課程で学び、プロとしてお菓子作りに最低限必要な製菓衛生師の資格を取得しました。「料理もほぼしたことのない、本当にド素人でした」と笑う勝原さん。製菓学校を卒業後、祖母に当時のレシピを聞きながら、また幼少期の祖父の仕込みの姿を思い出しながら、勝原さんは銘菓を作り始めました。

年間30㎏しか収穫できない希少な小豆との出合い

年間30㎏しか収穫できない希少な小豆との出合い

帰郷と同時期に店舗もリニューアルしました。地元の商店街でひときわ目を引く洗練された店構えは瞬く間に話題に。様々な地元のイベントにも積極的に携わるなど、活動の幅を広げていくなかで、地元の人達から「食」で何か困った時などは相談されるようになりました。ある時、「精進イタリアン」を提供する地元の寺「浄謙寺」から広島の希少小豆「御器ねぶり」を使った商品を作りたいと相談を受けました。「御器」とは「食器」、「ねぶり」は「舐める」という意味。つまり、あまりにも美味しくて器に残った餡を舐めてしまうくらい美味しいと言われる小豆です。

「御器ねぶり小豆」は広島の在来種で、農家さんが自家用に細々と育てておられましたが、時代の流れとともに小豆が食卓にのぼることも減り、また、農家さんの高齢化もあり収穫や選別に手間がかかるため、だんだん栽培されなくなっていました。「栽培から収穫まで見ていますが、品種改良されていない原種なので、一本の苗に実がつく時期もバラバラで本当に手間がかかる小豆です。でも実に美味しい小豆なんです」と勝原さん。地元のモノを使って新しいものを何か作りたいと思っていた勝原さんは、すぐに「浄謙寺」と一緒に菓子開発を始めます。

自然の姿、そのものの小豆の風味、美味しさを伝えたい

自然の姿、そのものの小豆の風味、美味しさを伝えたい

「主役は御器ねぶり小豆。この風味が生きるもの、餡を力強く感じられるもの、そして食べやすいもの、といった観点から最中を提案しました」と勝原さんは話します。2020年秋には「HITひろしま観光応援プロジェクト」のクラウドファンディングで開発支援を募りました。そして翌年の春から「御器ねぶり最中」の販売を開始。従来の最中は最中皮に餡子を挟んだスタイルで販売しますが、「御器ねぶり最中」は最中皮のサクッとした香ばしさを楽しめるようにと、最中皮は個包装、餡子は瓶詰めにして販売しています。

餡子は数日かけて丁寧に炊いた粒あん、こしあんの2つを作り、それらを混ぜて瓶詰めにするという手の掛けよう。「2つを混ぜることで、より豆の風味を感じてもらえるんです。御器ねぶり小豆は大納言小豆の半分以下、非常に小粒なんで粒をつぶさないよう全て手作業で行っています。人間の都合で改良されたものではなく、小豆本来のDNA、力強い美味しさを伝えたい」と勝原さんは熱く語ります。もともとの小豆の美味しさを直に味わえる、餡子好きにはたまならい貴重な一品です。

小豆に限らず、地元の美味を もっと世の中に広めたい

小豆に限らず、地元の美味を もっと世の中に広めたい

発売から2年、本サイトにも「広島にこんなにこだわった小豆を使った最中があるなんて」「美味しさに感動した」などとお声が届くように。「今年からですかね、納品したらすぐ完売するようになりました。ただ、正直、小豆がそんなに収穫できないので、生産数を増やせないんです。小豆の栽培量を増やすこと…これが課題です」と勝原さんは話します。今後は地元を盛り上げるためにと、地元で生産された食材を使った特色ある商品を更に開発し、それを加工できる工場を作りたいと考えているそう。

「地元には良い作物がたくさんあるんですが、加工方法や、販売方法が分からない農家の方が多いんです。本当に美味しいものがあっても世に出すためには全ての歯車が嚙み合わないとなかなか実現できません。そういう方々のお手伝いができたら」と地元愛を語る勝原さん。「勝原白貫堂」も以前のように後継者不足で店を閉めるのではなく、地元企業と連携し、誰もが「勝原白貫堂」の味を継承できるようなしっかりとした基盤を作りたいとも話します。北広島町から「北広島の美味しい」がたくさん世に出ること、そして次世代にその味を伝えていくこと、これこそが勝原さんの一番の願いです。

勝原白貫堂:広島県山県郡北広島町壬生243

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