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神石高原町で自然から授かる酒造り。
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神石高原町で自然から授かる酒造り。 創業400年「三輪酒造」が醸す「神雷」の哲学
広島県神石高原町で、江戸時代中期の1716年(享保元年)から続く老舗酒蔵「三輪酒造」。
標高500メートルという広島県内の酒蔵で最も高い場所に位置し、年間平均気温は秋田市と同じという寒冷な環境で酒造りを行っています。
日本酒は日本の自然環境が授けてくれた最高の贈り物(ギフト)であるという想いを胸に、地元の豊かな自然の恵みを体現する酒造りを追求しています。
豊穣の象徴「雷」を冠する銘柄「神雷」
代表銘柄の「神雷(しんらい)」は、神石郡の「神」と、蔵に雷が落ちた逸話の「雷」に由来しています。
本来は「じんらい」と読んでいましたが、戦後の混乱期に先々代が「信頼して飲んでほしい」という願いを込めて「しんらい」へと読み方を変えました。
古来より雷(稲妻)は豊穣や実りの象徴とされており、神雷という名には、神石高原町の豊かな自然を授かって酒を造るという深い感謝の意味が込められています。
個性の異なる2つの井戸水と、広島県産へのこだわり
三輪酒造の酒造りを支えているのが、性質の異なる2種類の井戸水です。
裏山の浅井戸(地下15m)から汲み上げる柔らかい「軟水」と、酒蔵の地下(50m)から汲み上げる少し硬めの「中硬水」を、ひとつのタンクの仕込みの中で使い分けています。
発酵を促す初期段階にはミネラル分の多い中硬水で酵母を元気にさせ、最後の「留仕込み」や「割り水」には口当たりの柔らかい軟水を使用。
お米や酵母も広島県産のものにこだわり、地のものを最大限に活かしています。
自然から「授かる」生酛造りと野生酵母の発見
現在、製造量の約3分の1を占めるのが、江戸時代に確立された伝統製法「生酛(きもと)造り」です。
蔵に棲み着く乳酸菌や酵母の力を借りるこの製法は、ゴールを設定して進める近代的な速醸とは異なり、その土地の環境や水から「授かる」酒造りです。
さらに、神石高原町の自然界から酵母を探す取り組みも行い、近隣農園の「貴腐菌」が生えたぶどうから優秀な野生酵母を発見。
その酵母を用いたお酒「森の唄」を商品化するなど、酒造りへの探究心は尽きません。
存続の危機を乗り越え、さらなるクオリティの追求へ
現代表の三輪裕治氏は、東京生まれのインド育ちで、元々は異業種のサラリーマンという経歴を持ちます。
2005年に蔵へ戻った後、生産の大部分を占めていた大手メーカー向けのOEM取引が終了し、出荷量が激減する危機に直面。
しかし、それを最大の転換点として高品質な純米酒造りへとシフトしました。
今後は「神雷」のブランドをさらにブラッシュアップし、掃除や温度管理といった一つ一つの工程を改めて見直すことで、お酒のクオリティをより高めていくことを目指しています。
日常の食事に寄り添う、お米の優しさと豊かさ
三輪酒造が目指すのは、決して派手な酒ではなく、日常の料理に合わせてゆっくりと語らいながら飲めるお酒です。
お米からできている日本酒だからこそ、その優しさや豊かさ、柔らかさを感じてもらうことを大切にしています。
理屈ではなく、飲んだ後に自然と「美味しい」と言ってもらえるお酒。
自然の力を引き出し、丁寧に醸される「神雷」は、これからも飲む人の心と食事にそっと寄り添い続けます。
広島県神石郡神石高原町油木乙1930番地
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