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後藤鉱泉所┃マルゴサイダー/怪獣サイダー

  • # 飲料
  • 写真:後藤鉱泉所┃マルゴサイダー/怪獣サイダー
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弾ける炭酸でスッキリ、爽やか 伝統と革新、対照的な2本のサイダー

尾道市・向島にある後藤鉱泉所は、昭和5年に創業した老舗清涼飲料水メーカーです。昔ながらのスタイルそのままに、瓶入りのサイダーやラムネ、ミルクセーキなど懐かしい飲み物の製造・販売をしています。看板商品は「幻のサイダー」と呼ばれたこともある『マルゴサイダー』。そして、新たに瀬戸内産の皮まで食べられる「怪獣レモン」を使った『怪獣サイダー』も登場。昔ながらの味を守りながら新たな商品開発にも力を入れています。

親子3代にわたり受け継がれてきた 小さな島の飲料水製造所

親子3代にわたり受け継がれてきた 小さな島の飲料水製造所

尾道市街の対岸にあり、しまなみ海道入り口に位置する向島。後藤鉱泉所は渡船で3分、尾道大橋を車で走っても15分もかからず到着できる場所にあります。創業は昭和5年、レトロな雰囲気の店は、まるでタイムスリップしたかのような懐かしさを感じます。創業時の昭和から、平成、令和と、時代が大きく変わるなか、90年以上も変わらない当時の味を守りながら、清涼飲料水の製造・販売を行っています。

 後藤鉱泉所の飲み物の魅力は、昔ながらの味だけでなく、「王冠付の瓶」に入っていること。栓抜きで王冠を外して口飲みする、その姿に心くすぐられ、瓶に入った飲み物が懐かしい世代にも、新鮮な世代にも愛され支持されています。また、飲んだ後に回収・洗浄をして再び使用する「リターナブル瓶」での販売のため、以前は、尾道や向島など瓶が回収できる範囲でしか商品を手にすることは出来ませんでした。そのためか、「幻のサイダー」と呼ばれていたことも。今でも「リターナブル瓶」で販売している店は限られており、この味や風情を求めて、遠く県外からも店を訪れる人がいるほどです。

地域で愛されている味を守りたい その一心で事業を承継

地域で愛されている味を守りたい その一心で事業を承継

製造方法を守り、変わらない味を今に伝えているのが、4代目当主の森本繁郎さんです。2021年の4月に3代目の後藤忠昭さんから、歴史ある店を受け継ぎました。後藤鉱泉所は創業から代々親子承継されていた店。先代の後藤さんが夫婦で切り盛りしていましたが、次の担い手がおらず事業の承継者を求めていました。

 「人生100年時代。勤め人で終わるのではなく、生涯をかけて営む事業に取り組みたかったんです」と話す森本さんは、かつては竹原市役所で地域活性化に関わる業務に関わっていました。仕事を通じて「後継者不足による廃業」を何度も目にしたといいます。「お店がなくなると、街の活気が失われてしまいます。自分も何か役立つことができるのでは」そう考えていたときに、事業承継のサイトを通じて後藤さんと出会いました。
「あの有名な店でも継ぎ手がいないのかと衝撃を受けました。地域に愛されているものを残さなきゃいけない、その思いが湧き上がり跡を継ぐ決意をしました」。それから1年をかけて先代から製造技術を学び、市役所を退職。正式に店を引き継ぎました。

幻のサイダーは爽やかなのに刺激的 強炭酸とスッキリした甘さが人気の秘訣

幻のサイダーは爽やかなのに刺激的 強炭酸とスッキリした甘さが人気の秘訣

創業した昭和5年の「5」と創業者、後藤さんの「ご」から名付けられた『マルゴサイダー』は、店を代表する1本です。刺激的な弾ける炭酸と柑橘系の香料が、甘さの中に爽やかで後を引かないスッキリとした味わいを生んでいます。暑い夏にぐいっと飲みたくなるおいしさです。
「秘伝のレシピを元にした、砂糖、酸味料、香料のバランスはもちろんのこと、昔ながらの機械を使い、この場所で作っているからできる味です」と森本さんは話します。製造する機械もほとんどが昭和20年代から使い続けてきたもの。メンテナンスができる業者も日本に1カ所しかなく、修理もままなりません。味の決め手となる香料も廃番になり、今は特別に注文し取り寄せています。「手作業も多く1種類の飲料を製造するのに丸2日はかかります。なにかと不便も多いですが、それでもこの味を守り、後世に残したいのです」その思いを胸に、1本1本と向き合いながら製造しています。

 そして、ただ伝統を守るだけでなく、時代に合わせて変化も取り入れています。これまでのリターナブル瓶では、限られたエリアの人にしか届けられないと回収の必要がない「ワンウェイ瓶」を導入。持ち帰りや通販にも対応できるようにしました。味はそのままに、便利さもプラスされた『マルゴサイダー』が誕生しました。

新たな出会いがきっかけで 古き良き味に新しい味も仲間入り

新たな出会いがきっかけで 古き良き味に新しい味も仲間入り

「コラボ商品をつくりませんか」と、商品プロデュースや商品ブランディングを手掛けている「株式会社瀬戸内百姓」からの声掛けで、新しく仲間入りしたのが瀬戸田の『怪獣レモン』を使った『怪獣サイダー』です。生口島で栽培されている『怪獣レモン』は、見た目の大きさは普通のレモンの2~3倍。しっかり育てることで糖度も9~11度になり、酸味やエグ味が抑えられ、レモンが本来持つ甘さを感じることができる一品です。飲料用に特化して作られており、もともとはレモンサワー専用に出荷されているもの。旬の時期が限られるレモンをもっと活用したいと森本さんに声が掛かりました。試しにレモン果汁とマルゴサイダーを半々で割ってみたところ、2つの相性は驚くほど抜群でした。

『怪獣サイダー』は、その味を再現して商品化したもので、今では『マルゴサイダー』と肩を並べる人気商品になっています。他にも農家イチオシの甘さを誇る梅雨入り前のトマトを贅沢に使った限定品『トマトサイダー』や瀬戸内の島々で取れた季節の柑橘を100パーセント使用したジュースなども販売。地域の人たちと共に、その町ならではの特産品を生かし宝とするコラボ商品にも力を入れていきたいと話します。「古きを守りながらも新しい挑戦も取り入れて、この店を次の後継者に引き継ぐのが目標です」と森本さんは目を輝かせています。

後藤鉱泉所:広島県尾道市向島町755−2

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